こんにちは、カナダ在住20年目の保育士・Risaです。
今日は、私がカナダでの職場経験を通して学んだ「信頼関係の築き方」と「コミュニケーションのコツ」についてお話ししたいと思います。
仕事でも子育てでも共通する大切な考え方です。
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言葉の選び方で変わる信頼関係
私のマネージャーは、もう10年近く一緒に働いていますが、とても情に厚く「良い人」であろうと努力しているのがよくわかります。
ですが、言葉の選び方や伝え方が少し不得意で、時に混乱や誤解を生んでしまうことがあります。また、忘れっぽい部分もあるため、同じことを何度も確認しなければならない場面もあります。もちろんそれは人間として仕方のないことです。
ただ、上司という立場は責任や決定権も大きく、指示がブレると現場は混乱します。私が提案したことを数日後には「自分のアイデア」として説明することもあります。意図的ではなくても、こうしたちょっとした事の積み重ねでコミュニケーションは難しさを増してしまう気がします。
ここで、英語でよくある例を紹介します。ミーティングの後などの確認の言葉です:
- 「Did you get it?」
- 「Am I clear?」
内容としてはどちらも「話したことを理解できたか」という確認ですが、受け取る印象が全く違います。
- 「Did you get it?」は、相手に対して「分かった?」と責任を求めるニュアンスがあります。
- 「Am I clear?」は、自分が上手く説明できたかを確認しているニュアンスです。
言葉ひとつで「相手に責任を求めているか」「自分の説明力に疑問を持っているか」が伝わり、相手の受ける印象や感情は大きく変わります。
これを意識するだけで、信頼関係の築き方もぐっと変わります。
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コミュニケーションのコツ:まず「聞く」こと
では、具体的にどうコミュニケーションを取れば良いのでしょうか。私が大切だと思うのは、まず相手に「聞く」ことです。
職場での大人相手でも子どもでも同じですが、状況や人によって必要なサポートは違います。
例えば私のクラスはToddler(2~3歳)で、子どもたちは大体1~2時間お昼寝をします。ただ、子どもによっては自分だけで眠れる子もいれば、手助けが必要な子もいます。
さらに、親によってはお昼寝のリミットを設けている場合があります。たとえば「2時には起こしてほしい」というリクエストがあると、できるだけ早めに寝かせる方が長く眠れます。
ここでヘルプが必要な子の場合、誰がその子をサポートするかによって寝つきの速さは変わります。
だから私はまず子どもに「Do you need help?(手伝いが必要?)」と聞きます。
子どもが「自分で寝たい」と言えば、その意思を尊重します。遊んだり騒がなければ手を出さずに見守ります。
でも、自分で寝たいけれど騒いだり走り回ったりする場合は、再度確認してヘルプの有無を聞き、必要ならサポートします。
ここで大切なのは、「聞くこと」のステップがあることです。
問答無用でヘルプをしてしまうと、たとえ最初から手助けが必要とわかっていても、子どもは嫌がったり余計に騒いだりしてしまいます。
しかし、まず意見を聞き、その意思を尊重したうえで「できなかったからヘルプする」という順序を踏むと、子どもも納得して受け入れてくれます。
この考え方は、大人とのコミュニケーションでも同じです。
「見た目で判断して動く」のではなく、まず相手の意見や気持ちを確認して尊重することで、信頼関係がぐっと深まります。
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境界線(ボーダーライン)の設定も大切
仕事でも子どもでも共通するのは、境界線を設定することです。
相手の気持ちや考えを受け入れつつ、自分として譲れないことは明確に伝える。このバランスがコミュニケーションの質を大きく左右します。
例えば、保護者からの要望と現場の判断が対立する場面はよくあります。ある保護者から「トイレトレーニングをしたいので、30分ごとに子どもをトイレに連れて行ってほしい」とのリクエストがありました。しかし、集団保育の中で30分ごとに連れて行くのは現実的に非常に難しい状況です。
さらに、何度も失敗してしまうと、子ども本人の自信喪失につながる可能性もあります。そこで私たちは、トイレットトレーニングに対するボーダーラインを設けました:
- 子ども自身がトイレに座りたいという興味を持っていること
- 2~3時間ごとのおむつ交換時にドライであること
※これは自分でコントロールできる目安です
このルールの意味は、本人が嫌がっている場合は無理に連れて行かず、最初のうちは1〜2時間の間隔で確認できるが、30分ごとに連れて行くことはしない、というラインを明確にすることです。
実はこの決まりも去年作ったもので、それまでは保育士によって対応が異なり、子どもや状況によって対応がまちまちでした。臨機応変な対応は必要ですが、基本的なラインを統一することでブレがなくなり、現場の負担も軽減されました。
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皆さんは、日々のコミュニケーションで「相手を尊重しつつ、自分の線をどう守るか」を意識していますか?
ちょっとした言葉の工夫や順序の意識で、職場でも家庭でも人間関係の摩擦はぐっと減らせます。
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