医療事情から感じる「予防の大切さ」
今日は仕事帰りに、職場のすぐ近くの薬局でインフルエンザの予防接種(フルショット)を打ってきました。毎年この時期になると「今年はどうしようかな…」と悩むのですが、ここ数年は結局受けています。
もともと私は、コロナ禍前は予防接種にそこまで積極的ではなく、インフルエンザも経験がないため、「まあ大丈夫かな」と思っていました。でも、実際にコロナにかかったときのあの辛さ…。
全身の痛みと倦怠感、熱のしんどさは本当に忘れられません。「これがインフルエンザと同時に来たら…?」と考えると、一気に現実味が増し、それ以降は毎年フルショットを受けるようになりました。
とはいえ、実は少し葛藤もあります。
どこかで「39度以上の熱は潜んでいるがん細胞を死滅させることがある」という話を聞いたことがあり、その記憶が今でも頭の片隅に残っているからです。そんな高熱って、インフルエンザくらいでしか出ないですよね。だから、健康なうちに“自己修復”のような反応として一度経験しておくのも…なんて思ってしまう自分もいます。
でも、現実的に一人暮らしで39度越えの熱が数日続くのはかなり怖い。誰かが看病してくれるわけではないし、水を飲むのもつらくなるかもしれません。そう考えたとき、やっぱり「予防できるものはしておく」という選択に落ち着きます。
カナダの医療事情:とにかく“すぐには診てもらえない”
私がフルショットを積極的に受けるようになったのは、カナダの医療事情も大きな理由のひとつです。
カナダでは、病院で診てもらうのに驚くほど時間がかかります。
まず基本は、かかりつけ医(Family Doctor)か Walk-in クリニックで初診を受けます。しかし、ここで「専門医に行ってね」と紹介されても、そこから実際に予約が取れるまで 平気で数週間〜数ヶ月待ち。
エマージェンシー(救急)に行っても状況は同じで、数時間待たされるのは普通。緊急度の高い順に診てもらうので、命に関わらないと判断されると後回しになります。
最近は Walk-in クリニック自体が激減していて、予約なしで診てもらうのがさらに難しくなりました。
予約なしで行ける「Urgent Care」もあるものの、ここも結局はエマージェンシーと同じシステムで、軽症だと長時間待つケースが多いです。
私は幸運にも、カナダに来て20年、一度もエマージェンシーに行かずに過ごせていますが、周りの友人たちからはこんな話を本当に良く聞きます。
「体の異変があって緊急で行っても、数時間待つ間に症状が落ち着いてしまい、最終的に『タイレノールを飲んで様子を見て』と言われて帰される。」
友人いわく、ほぼ9割がこのパターン。
それでも Walk-in よりエマージェンシーに行く方が良いと言われる理由は、その場で検査に回してもらえる可能性があるからだそうです。Walk-in だと、検査予約を取るところからスタートなので、さらに待つことになります。
こうした医療事情があるからこそ、カナダでは 「病気になる前に防ぐ」=予防が本当に大切 だと感じます。
予防接種、手洗い、体調管理——どれも文化として根付いているのは、背景にこうした医療体制があるからなんです。
今年もフルショット完了。冬を元気に乗り切れますように
今日の薬局では、アジア系の男性スタッフが担当してくれました。
気になったのは、接種のときスタッフが手袋をしていなかったこと。
ジェル状の消毒はしていたし、私の腕もアルコールで拭いてくれたのですが、素手で注射されるのってなんとなく不安になるのは私だけ…? そういう基準って特にないのかな。
保育園では、子どもの怪我で血が出ているような場面は必ず手袋着用が徹底されているので、余計に気になってしまいました。
とはいえ、無事にフルショットは完了。
昔はインフルエンザの予防接種は有料で、保育関係の仕事をしている人は無料という認識でしたが、今はほとんどの人が無料で受けられるようになっているようです。この点は本当にありがたいなと思います。
最近は園でも高熱のお休みが増え、冬らしい雰囲気になってきています。
コロナ禍の時はインフルエンザの子がほとんどいなかったのに、今年はやっぱり増えてきたなという印象。手洗い・うがい・睡眠・食事、この基本を大切にして、まずは自分の健康を守っていきたいと思います。
何はともあれ、今年もフルショット完了!
この冬も無理せず、元気に乗り越えられますように。子どもたちも、大人たちも、なるべく健康でいてほしいなと思います。
