ウィンターパーティーが教えてくれる“多文化の保育”
今週の木曜日、私が勤務する保育園では毎年恒例のウィンターパーティー(Winter Party)が開催されます。保護者みんなでの持ち寄り料理が並び、子どもたちの作品展示、上のクラスの歌の発表など、にぎやかで温かい雰囲気に包まれる12月の一大イベントです。
ここで特徴的なのは、「クリスマスパーティー」ではなく「ウィンターパーティー」という点。
バンクーバーは移民が多く、国も文化も宗教も背景は本当にさまざま。もちろんクリスマスをお祝いする家庭は多いし、街はクリスマスのイルミネーションであふれています。それでも保育現場では“クリスマスを祝わない”“サンタクロースを子どもに伝えたくない”という保護者も一定数います。
「多文化共生の街」としてあらゆる背景を受け入れているのに、なぜ保育園ではわざわざクリスマスを避けるのだろうか。実は私自身、この点には少しだけ違和感がある。クリスマスは文化的にも商業的にも市民生活の中に自然に存在している行事で、完全に避けるのは現実的ではないのでは?そういう気持ちも正直あるけれど、これは私が無宗教だからそう思うのかとずっと思っていました。
とはいえ、単純に「クリスマスをやらない」のではなく、他の文化や宗教の行事も合わせて紹介した方が子ども達にとっても良いのではないかとも感じています。けれどそのためには保育士側が丁寧なリサーチや理解を深める必要があり、これまでなかなか実践できなかったという背景もあります。
そこで今年、私のクラスでは思い切って「世界の季節の行事を少しずつ紹介していく」という取り組みを始めています。9月から毎月他の国も含めてその月にあるイベントを紹介しています。
12月には、もちろんクリスマス、そしてユダヤ教の行事であるハヌカ(Hanukkah)が代表的なので、まずはこの2つについて説明ポスターを作り、クラスの入り口に掲示されています。
幸い、今年のクラスの保護者はとても柔軟で、さまざまな文化を受け入れる姿勢を持っています。先生たちもうちのクラスは日本人2人、韓国人2人で、ほかのクラスにはカナディアン、フィリピン、チャイニーズと多様性に富んでいます。子どもたちの家庭は北米系が多い中で、自分たちアジア系の文化も少しずつ紹介できる環境があることはありがたいし、子どもたちにとっても良い、面白い経験になるのではないかと思っています。
子どもたちの作品と特製オーナメント
ウィンターパーティーの日には、子どもたちが作ったギフトを保護者へ贈るという、毎年恒例のプチイベントがあります。強制ではないけれど、保護者からの評判がとても良く、自然と続いている取り組みです。
今年のクラスのギフトは透明の球体オーナメント。
$1ストアで購入したもので、中心に写真を入れられるタイプ。まず子どもたちの写真をセットし、裏には子どもたち自身がマーカーで色をつけ、スパークルを塗り、好きなように飾り付けをしてもらいました。最後にイミテーションの雪を入れてもらい、まるで雪の中に子どもがいるような可愛いオーナメントが完成しました。
ただ、これも「クリスマスツリーの飾りでしょ?」と言われてしまえばそうかもしれないのだけれど、あくまで「ウィンターツリーの飾り」で通す事にしました(笑)
正直、思っていた以上のかわいさで、私たち保育士も出来栄えに大満足。当日は、先日の親子遠足—消防署へのフィールドトリップ—のドキュメンテーションや、子どもたちが作ったアート作品も展示する予定です。
パーティーは毎年のこととはいえ、このプレゼントの準備はやっぱり大変ではあります。正直 “面倒くさい” と思う瞬間もあります。それでも、子どもたちが「自分で作ったんだよ!」と嬉しそうに保護者に渡す姿を見られるのは、この仕事ならではの幸せだと思うと今まで止められずにいます。
日本で働いていた頃は作品展があり、そのための準備は本当に大変でした。対してカナダの保育現場では「大人は作らない・手を出さない」が基本。材料だけ用意し、あくまで子どもの主体性を大切にします。
このプレゼント作成などだけは保育士の手が多少入るけれど、他のアートは基本大人は手を出すのはなし。その考え方のおかげで、こちらでは作品準備の負担は重すぎず、子どもらしい表現を大切にできているのだと思います。(それでも面倒と思ってしまうのはこっちの保育の仕事に慣れた証拠かもです)
今回のウィンターパーティーでも、多文化の街で働く保育士として、こうした場があること自体が大きな学びであり、喜びでもあるんだなぁと感じている今日この頃です。



