カナダ生活

バンクーバーの日常|ゴルフ場レストランのブランチと、ストライキに揺れる年末の暮らし


以前住んでいた家のオーナーでもある日本人の友人と、久しぶりにブランチへ出かけました。
バンクーバーでの暮らしは、食を通して「移民の街」を実感する場面が多くあります。一方で、今年の年末で避けて通れないのがストライキの影響。
今回は、お気に入りのレストランでの時間と、日本食の買い出し、そしてCanada Postのストライキについて感じたことを綴ってみたいと思います。


移民の街バンクーバーが教えてくれた「本物に近い味」

今回ブランチをしたのは、リッチモンドの奥にあるゴルフ場内のレストラン。ここは、私がバンクーバーに来たばかりの頃、幼児教育の学校で出会った友人に教えてもらった場所です。
彼女はもともと「子どもたちにおいしいごはんを届けたい」という思いからシェフを目指し、ニューヨークとバンクーバーで進学先を迷った末に、バンクーバーを選びました。

理由を聞いたとき、とても印象的だったのが「住む街そのものの食文化」を重視したという話です。
バンクーバーは移民の街。さまざまな国の人たちがそのまま暮らしているため、料理も現地の味に近いものが多い。日本で食べる海外料理が、日本人の舌に合わせて調整されていることが多いのに対し、ここでは比較的“オリジナル”に近い味を楽しめるというのです。

その考え方に、当時の私はとても納得しました。実際、彼女は調理学校時代から各国料理に精通し、おいしい店の情報をたくさん教えてくれました。その中のひとつが、このゴルフ場のレストランでした。


ゴルフ場レストランと、変わらないブランチの時間

最初に「ゴルフ場の中にあるレストランに行こう」と言われたとき、正直なところ少し戸惑いました。
私はゴルフをしませんし、ゴルフ場という場所自体が日常からは少し距離のある存在だったからです。わざわざそこまで行く理由があるのだろうか、というのが正直な気持ちでした。

けれども彼女の考えはとても明確でした。
ゴルフは比較的、経済的に余裕のある人が楽しむスポーツであり、ゴルフ場の中にあるレストランは、その利用者の期待に応えられるクオリティでなければ成り立たない。だからこそ、料理の内容もサービスも、一定以上のレベルが保たれているはずだというのです。

実際に訪れてみると、その見解は見事に当たっていました。
料理はどれも丁寧に作られていておいしく、盛り付けも上品。それでいて価格は想像していたよりずっと良心的でした。会員制の雰囲気はありつつも、一般にも開放されているため、教会帰りの家族連れや年配のご夫婦など、さまざまな人が自然に集まっているのも印象的でした。

このゴルフ場は、夏場になるとウェディング会場として使われることも多いようです。
広々とした芝生は一年を通してよく手入れされていて、特に夏は青々とした緑が一面に広がります。レストランの外観もとても可愛らしく、実際に夏に訪れると、ウェディングの準備をしている様子や、ちょうど式が行われている場面に出くわすことも少なくありません。なるほど、結婚式に選ばれる理由がよく分かる場所だと、毎回思わされます。

一時期、火事の影響で1〜2年ほど閉店していたことがあり、再オープン後には、以前よく注文していたパンケーキやフレンチトーストといったブランチメニューが姿を消してしまいました。それは少し残念でしたが、それでも「また来たい」と思わせてくれる魅力は変わっていません。

今では私自身も、車で友人と出かけるときに「間違いのない場所」として、このレストランを選ぶことが増えました。公共交通機関では少し行きづらい場所ではありますが、その分、落ち着いた時間を過ごすことができます。
今日会った友人もこの場所をとても気に入ってくれていて、私たちのブランチは自然とここになることが多くなりました。何度訪れても、少し特別で、それでいて肩肘張らずに過ごせる、そんな変わらない時間が流れる場所です。


Canada Postのストライキで考えたこと

昨夜は父とLINEで、日本から送ってもらった荷物について話をしました。
来年の手帳を含む荷物は、今月初めにはすでに発送してくれていたのですが、どうやらまだ日本国内にあるようです。理由は、Canada Postの長期ストライキでした。

11月末まで続いていたこのストライキ期間中、日本からカナダへの郵送自体が受け付けられていなかったそうです。ようやく再開されたとはいえ、その間に溜まった荷物の量を考えると、順番が回ってくるまでにどれだけ時間がかかるのか、正直想像がつきません。
カナダに到着してしまえば、通常は1週間もかからず手元に届くはずなのに、そこまでたどり着くのが遠い。年明けに手帳がないのは少し寂しいですが、こればかりはどうしようもありません。

バンクーバーで暮らしていると、ストライキは決して珍しいものではありません。
これまでにも、教師のストライキ、公共交通機関であるTrans Linkのストライキ、そして郵便のストライキと、生活に直結する大きな組織が何度も実力行使に出てきました。そのたびに「困るな」と思うのが正直なところです。

ただ一方で、彼らがユニオンに守られ、行動することで要求を通していく姿を見ると、「声を上げ、行動することの強さ」も感じます。
日本では、ストライキという言葉自体は知られていても、実際に行動に移すとなると、周囲への影響や評判を気にして踏み切れないケースが多いように思います。その結果、「どうせ言っても変わらない」という空気が生まれてしまうこともあるのではないでしょうか。

どちらが正しい、という単純な話ではありませんが、年末年始やクリスマスといった、郵便需要が最も高まる時期にストライキが行われると、「足元を見られているな」と感じてしまうのも事実です。
便利さと不便さ、権利と影響。そのバランスについて、考えさせられる出来事でした。


長くバンクーバーで暮らしていると、特別な出来事よりも、こうした何気ない一日の積み重ねが、記憶として残っていくように感じます。
友人と変わらず訪れるゴルフ場のレストラン。季節によってはウェディングの準備が進み、人生の節目を迎える人たちの姿を遠くに眺めながら、いつものブランチを楽しむ時間。そこには、少し非日常でありながらも、確かに日常の延長にある落ち着きがあります。

一方で、Canada Postのストライキのように、こちらでは「当たり前」に起こる出来事に振り回されることも少なくありません。不便さを感じながらも、声を上げ、行動することで状況を変えようとする社会のあり方に、考えさせられることもあります。

おいしい食事、人とのつながり、そして思い通りにいかない現実。
そのすべてを含めて、これが今の私のバンクーバーでの暮らしなのだと、改めて感じた一日でした。

この記事の内容についてご相談や、執筆・企画のご依頼がありましたら、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください