カナダで保育

保育園の避難訓練の現実|トラブル時に求められるルールと柔軟な判断


昨日とは打って変わって、今日は朝から本格的な大雨でした。まさにレインクーバーらしい一日です。天気が荒れると、普段は見えにくい園の設備や運営の課題が一気に表に出てきます。排水溝の問題、避難訓練をめぐる考え方の違い、そして職場のルール作り。仕事の後に抹茶ラテを飲みつつ今日一日を振り返ると、保育現場で働く中で日々感じている「現実」と向き合う時間だったように思います。


大雨の日に浮き彫りになる園庭と設備の問題

園庭のゲートを入ってすぐの場所にある排水溝は、正直なところ一年のうち三分の二くらいは詰まっているのではないかと思うほどです。定期的に整備をお願いしてはいるものの、そのたびに「砂が入っている」と強く言われてしまいます。
ただ、子どもたちがわざわざ砂を運んでいるわけではありません。砂場で遊び、そのまま室内へ移動するだけで、長靴や靴底についた砂が水たまりで落ち、少しずつ溜まっていくのは自然なことです。私たちも水たまりを作らないよう、できる限り砂を除去していますが、すべてを防ぐことはできません。

以前、園のリノベーション時に花壇部分へウッドチップを敷く提案がありました。赤ちゃんクラスで働いていた私は、口に入れてしまう危険性を伝えましたが、「子どもに口に入れないよう言えばいい」という返答が業者の方から返ってきたことを今でもよく覚えています。
保育や教育に関わっていないと、年齢ごとの発達や理解度を実感するのは難しいのだと、その時も今回の排水溝の件でも、改めて感じさせられます。


避難訓練をめぐる考え方の違いと現場の葛藤

今日は月に一度のSupervisor Meeting(主任会議)があり、三クラスの主任とマネージャーが集まり、約三時間の会議を行いました。中心となった議題は、先日私とマネージャーの間で意見が分かれた避難訓練についてです。
管理側は「できるだけ本番に近い形で」と考えますが、私たち保育士は、練習の段階で子どもが怪我をしないことを最優先に考えます。避難経路も複数あり、その時の状況は実際になってみないと分かりません。

結果として明確な答えは出ませんでしたが、今月の避難訓練は時間を重視するのではなく、ステップバイステップで一つひとつ確認しながら行う、という形でまとまりました。内心「それは以前から私が言っていたことだな」と思いつつも、今回は聞き役に徹しました。


増え続けるルールと「暗黙の了解」が通じない時代

会議では、人事異動や有給休暇の取り方についても改めて話し合いました。以前の職場では、責任を持って仕事をしていることを前提に、日本でいう「暗黙の了解」で成り立っている部分が多くありました。例えば、「このクラスの掃除は誰がやるか」「簡単な備品の補充は自分で判断して行う」といった小さなことは、口頭や経験上で共有されていれば十分でした。しかし最近は、書かれていないことや説明されていないことは「存在しない」と見なされ、自分の権利だけを主張する人が増えているように感じます。

その結果、以前は各自が判断して進めていたことまで文書化せざるを得ず、ルールの数はどんどん増えていきます。仕事の役割に関しても、例えば「子どもが遊んだ後のおもちゃの掃除」や「おむつ交換」など、以前なら臨機応変で済ませられたことも、今では細かくどのシフトの人がするのかというのを明確にはっきりしなければならない事も多いです。決めていないと、理解力や経験値の高いスタッフには自然と仕事が集中してしまい、逆に経験の浅いスタッフは責任や仕事の範囲が限定される傾向が出てきてしまうからです。これでは現場全体のバランスが崩れてしまうため、主任やマネージャーは、ある程度割り切って説明しなければならない場面も多くなります。

有給休暇についても同様です。私たちのセンターは比較的柔軟で、インターナショナルなスタッフの里帰りなどにも対応してくれますが、スタッフの状況は一人ひとり違うため、「何週間取れるか」「残りの分は病欠として使うか」など、ケースバイケースの判断が必要です。全員が100%満足する形は難しい中でも、個々の状況に配慮しようとしてくれている職場には、やはり感謝の気持ちが湧いてきます。


まとめ

大雨の日の排水溝から始まり、避難訓練や職場のルールまで、今日は保育現場の「理想と現実」を強く感じる一日でした。すべてを完璧に整えることはできなくても、子どもたちの安全と、働く人それぞれの状況に向き合い続けること。その積み重ねが、現場を支えているのだと思います。
最近再度ブームになりつつあるらしい抹茶ラテを堪能した後は、急遽決まったラスベガス旅行の計画を立てながら、忙しい日常の中にも楽しみがあることに救われた夜でした。

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